古酒を扱う場合に古物商許可は必要? 必要な資格とは

古酒とは、長期間熟成させたお酒のことを指した言葉です。特に製造から何年以上のお酒が古酒と呼ばれるのかは、決まっていません。ですが、日本酒の場合であれば満三年以上に渡って蔵元で熟成させたものを古酒、またワインであれば15年以上寝かせたものがオールドヴィンテージワインとして扱われています。

古いものであれば美味しいという訳ではありませんが、熟成によって変化した香り味わいを楽しめるのが古酒の魅力です。また、香りや味わいだけではなく、その容器に付加価値がつくこともあり、古いラベルや瓶目当てで古酒を購入するコレクター達もいるほどです。

実際に古酒の買取りをしている業者やオークション等に出品されているケースも珍しくありません。そこで今回は、取り扱う場合に古物商の許可は必要となるのか解説します。

古酒=中古品ではない

そもそも古酒とは、普通よりも長期間熟成されたお酒のことです。「古」という漢字から、中古を連想してしまいますが、古酒=中古品ではありません。

蔵元や製造元で徹底的な管理をされた上で保管されている、まだ販売・売却されていないお酒も、もちろん古酒です。ですから、新品であっても「古酒」というわけです。

警視庁によれば、メーカーから手を離れたものは古物ということですから、買取業を行おうと考えている形の手に渡るものは中古という扱いかもしれません。

古酒は古物にあたらない

しかし、取り扱う際に古物商の許可が必要となるのは、古物営業法によって「古物」に定められている13品目のみです。中古品だからといって、全てが、古物にあたる訳ではありません。では、その13品目を見ていきましょう。

  • 美術品類
  • 衣類
  • 時計、宝飾品類
  • 自動車
  • 自動二輪車、原付
  • 自転車類
  • 写真機類
  • 事務機器類
  • 機械工具類
  • 道具類
  • 皮革、ゴム製品類
  • 書籍
  • 金券類

以上が古物の13品目です。古物営業法の制定は古く、特に最近のものはどこに含まれているかわかりにくいことが多いため、「要所轄の警察署へ問い合わせ」という現状ですが、13品目のどこにも酒類はおろか、飲料や食品類は見当たりません。

つまり、酒類は古物営業法の規制を受けないジャンルとされ、一度消費者の手に渡った古酒であっても法律上は古物にあたらず古物商の許可がなくても取り扱いが可能です。古酒に限らずお酒は、新品でも中古品であっても古物商の許可なく扱えると言えます。

古酒の容器などを扱う場合は古物商許可が必要

酒類は、古物の品目に含まれていません。ですから、新品・中古のどちらでも古酒は古物商の許可なく取り扱いが出来ると述べました。しかし、古酒の容器やボトルの栓といった付属品のみを取り扱う場合は例外です。

お酒の中身だけではなく、容器自体を集めているコレクターも世の中には少なくなく、インテリアにもなるお洒落な洋酒の空ボトル等は需要があります。実際に古酒の容器・ガラスの栓といったコレクションになり得る付属品はオークション等に出品されていたり、お店で販売されていたりします。このような場合、古物商の申請が必要になるため注意をしましょう。

容器やボトル栓は道具類にあたる

お酒の入っていた容器を買取り、販売する際には古物商許可が必要です。お酒の容器の多くは、ガラス等で出来ているでしょう。こうした空のガラスボトル等は、13品目のうち「道具類」に分類されます。

自分の飲んだ古酒の容器を売却する場合は?

自宅用に購入した古酒を飲んだ後に、その容器を売却する場合はどうなるでしょうか。

消費者の手に渡った空の瓶は古物に該当するものの、自分で飲む目的で購入した古酒の瓶を売却するなら、古物商許可は不要です。なぜなら、瓶を売却して利益を出す目的で購入(仕入れ)し、売却しているのではなく、営業(ビジネス)行為にならないからです。

しかし、はなから「瓶を売ることを目的にお酒を購入する」ことを目的としていたなら、営利とみなされる可能性もあります。

古酒を扱う為に必要な資格

古酒を扱う際には、古物商はいりません。ですが、古酒のように酒類を扱うには、別の許可が必要です。

まず、古酒を販売するには酒税法第9条により「酒類販売業免許」の取得が義務付けられています。お酒を販売する店舗等がある場所を管轄している税務署に申請しましょう。必ず販売を開始する前に取得しておく必要があります。酒類販売業免許にはいくつかの種類があるため、該当する許可を得ておきましょう。

なお、許可がおりるまでに、およそ2ヶ月程掛かるので早めに準備しておかなければいけません。倉庫等もきちんと確保しておく必要があります。

一般消費者へ売る場合

一般酒類小売業免許

酒造等から直接お酒を買い付け、一般消費者へ販売する場合は「一般酒類小売業免許」が必要です。

通信販売酒類小売業免許

店舗で直接消費者へ販売するのではなく、インターネットやカタログを利用した通信販売を行う際には「通信販売酒類小売業免許」を取得しなければいけません。自社のネットショップやネットモールに出店し販売する時だけではなく、オークション、フリマアプリを利用するにも通信販売酒類小売業免許は必要です。

ただ、この免許で通信販売出来るのは「課税移出数量が3,000kl 未満の製造者の製造する国産酒類」と「輸入酒類」限定されます。

特殊酒類小売業免許

上記の2種類と比較して、取得するケースが少ないのが特殊酒類小売業免許です。例えば、自社の役員や従業員に対して酒類を販売する際に必要です。一般消費者に販売する場合等は、必要ありません。

酒類販売業者等に販売する場合

一般消費者ではなく、酒類販売業者又は酒類製造業者にお酒を販売するには、「酒類卸売業免許」が必要です。お酒の卸売り業をする時に取得します。

この免許があっても、お酒の小売りは出来ません。また、この卸売業免許にも以下の種類があります。

全種類卸売業免許

全ての種類の酒類を卸売り出来る免許です。ただし、この免許は地域で取得可能な件数が決められている点に注意しましょう。

ビール卸売業免許

ビールを卸売りする際に必要となるのが、ビール卸売業免許です。しかし、麦芽50%未満の発泡酒や麦芽を使用していない第三のビールと呼ばれる酒類は、含まれません。

洋酒卸売業免許

洋酒に分類される「ワイン」「甘味果実酒」「ウィスキー」「ブランデー」「発泡酒」「その他の醸造酒」「スピリッツ」「リキュール」「粉末酒」「雑酒」の卸売りが可能です。国産の物でも洋酒であれば、該当します。

輸出入酒類卸売業免許

酒類を国内で仕入れ海外で販売する、または海外から仕入れ国内で販売する場合に必要となります。

特殊酒類卸売業免許

特殊酒類卸売業免許があると、酒類事業者の特別の必要に応ずる為に、お酒を卸売することが可能です。

店頭販売酒類卸売業免許

自社の会員である酒類販売業者に対して店頭で直接お酒の卸売りが出来るようになります。

共同組合員間酒類卸売業免許

加入している共同組合員に対してお酒を販売出来ます。

古酒のようなお酒類を扱う場合、古物商よりも酒類販売業免許について勉強をした方が良いでしょう。古物商よりも取得の難易度が高く、時間も掛かるとも言われています。

古酒を飲食店で振る舞う場合

古酒を飲食店等で取り扱う場合も、当然古物商の許可はいりません。また、酒類販売業免許も基本的に不要です。

必要となるのは、飲食店経営の為の許可で「食品衛生管理者」や「防火管理者」等となります。深夜まで営業し古酒を提供するなら「深夜酒類提供飲食店営業」も必要です。

ただし、店舗でお酒を提供するのではなく販売する場合は、上記の酒類販売業免許を取得しなければいけません。販売するお酒に合わせて必要な免許を取得しましょう。

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