古物商の品触れとは? 警察に求められた際の対応マニュアル

古物商には、遵守しなければいけない事項が多くあります。許可を取得したなら、古物商としての権利を得るだけではなく、課せられた義務も果たさなくてはいけません。警察から出される品触れもそのひとつです。

品触れが発せられた時に迷わないように、その対応方法を覚えておきましょう。

品触れとは

古物商としてビジネスを営んでいると、時として盗品等の不正品と意図せずにかかわるケースが多々あります。盗品が持ち込まれたり、過失から買取ってしまったり……と様々なケースが考えられるでしょう。

古物営業法の第19条には、警察本部長や警察署長は必要があると認められた時、古物商・古物市場主に対して書面による品触れを発せられるとあります。

第十九条 警視総監若しくは道府県警察本部長又は警察署長(以下「警察本部長等」という。)は、必要があると認めるときは、古物商又は古物市場主に対して、盗品その他財産に対する罪に当たる行為によつて領得された物(以下「盗品等」という。)の品触れを書面により発することができる。
(古物営業法19条)

品触れとは、盗難品・不正品等の特徴を記し古物商や古物市場主に告げることです。盗難品やその他財産に対する罪にあたる行為によって得た物のうち、他の類似品と識別できる物について発せられます。

例えば「強盗等の凶悪事件に関する盗品」「組織窃盗・常習と認められる侵入盗に関する盗品」「重要文化財、それに準ずる盗品」「社会的影響の大きい事件に関する盗品」などがあります。

前述したようにリサイクル・リユース市場から、盗品等の不正品を完全に流注させないようにするのは、現状では残念ながら非常に困難です。ですから、警察は品触れを出す事によって被害品の質受けや買取り、申し込みをされた際に古物商・古物市場主に報告を求めているわけです。

どのような形で品触れは発せられるのか

品触れの発出方法は、書面によるものだけではありません。古物商、古物市場主にあらかじめ了承を得ていれば電子メールを利用して発出する事も可能です。情報通信技術が向進した事で、行政運営がスムーズ&簡素化出来るようになりました。

では、品触れを書面や電子メールで受け取った古物商・古物市場主は、どうすれば良いのでしょうか。

品触れを受け取ったら保管期間の6ヶ月は保管

まず、品触れを受け取ってから、6ヶ月は保存しておく事を求められます。該当する品物が手元になく、心当たりもない場合であっても最低6カ月は保管しなければいけません。

これは、古物営業法第19条により決まっています。ですから、品触れを受けとったら、まずその書面に日付を記入しておきましょう。記入した日付から6ヶ月の間は、保管を行って下さい。

2 古物商又は古物市場主は、前項の規定により発せられた品触れを受けたときは、当該品触れに係る書面に到達の日付を記載し、その日から六月間これを保存しなければならない。ただし、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第七条第一項の規定により同法第六条第一項に規定する電子情報処理組織を使用して行われた品触れについては、到達の日付を記載することを要しない。
(古物営業法第19条)

所持物にリストアップ品がないか確認

品触れには、被害品の特徴が事細かに記されています。画像や品名の他にも、型番やシリアルナンバー、見た目の特徴といった情報が記載されているため、所持物と照らし合わせてみましょう。

古物商は、古物台帳に買取りをした品物の特徴を記しているはずです。品触れを受け取ったら、自身の古物台帳に記載されている情報と比較してみて下さい。古物台帳への記入は、古物商に課せられた義務ですが、このように警察から品触れが発せられた際にも役立ちます。

古物台帳の記載がおろそかになっている、あるいは必要事項の記載がきちんとできていないことが多いと警察の方から聞いたことがあります。古物業界の健全化に努めるため、また、古物商の義務を果たすために、きちんと古物台帳の記載方法を確認してみてはいかがでしょうか。

特に、近年多い問題として、インターネット発達によって誤った本人確認方法を行なっていることがあります。例えば、ハンドルネームを古物台帳に記載する方はいますが、不適切です。法律上、本人確認方法が定められているため、自己判断で行わないように注意しましょう。

リストアップ品がある場合は警察に報告

もし、リストアップにあった被害品の特徴と古物台帳にある品物の特徴が同じまたは類似している場合は、ただちに警察へ報告をしましょう。品触れは、県外の警察から出されるケースもあります。連絡先は、被害品のリストと一緒に渡された別紙等に記載されているはずです。示された連絡先に報告をするようにしましょう。

3 古物商は、品触れを受けた日にその古物を所持していたとき、又は前項の期間内に品触れに相当する古物を受け取つたときは、その旨を直ちに警察官に届け出なければならない。

4 古物市場主は、第二項に規定する期間内に、品触れに相当する古物が取引のため古物市場に出たときは、その旨を直ちに警察官に届け出なければならない。

5 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第七条第一項の規定により同法第六条第一項に規定する電子情報処理組織を使用して行われた品触れについては、同法第七条第三項の規定は、適用しない。
(古物営業法第19条)

リストにある品物が持ち込まれた場合の対応

品触れの保管期間は6カ月ですが、その有効期間も同じく6カ月となっています。その有効期間中に品触れに記載されている品物が、外部から持ち込まれた場合は、買取りを中止し即刻警察へ報告する必要があります。

古物商は、法律により盗品の買取りを禁止されていますが、品触れに記載がある品物が持ち込まれた時は、ただ「買い取らない」という選択をするだけではいけません。査定の為に持ち込まれた段階で直ぐに警察へ報告しましょう。そのためには、品触れにリストアップされた被害品の特徴を把握しておく必要があります。

とはいえ、品触れの品物と気が付かずに買取りをしてしまうケースもあるでしょう。その場合であっても、気が付いた時点で直ぐに警察へ報告しなければいけません。もちろん、売却するのはもっての他です。警察に報告をしたら、指示があるまで保管をしておきましょう。

基本的に保管期間を過ぎれば、品触れは破棄しても構いません。ですが、古物商・古物市場主共に盗品等の不正品と疑われる物を発見したら警察へ報告する必要がありますから、例え期間を過ぎた場合でも、リストにあった盗難品を発見したら警察へ報告するようにしましょう。

義務・虚偽による罰則

品触れに関する義務を怠ったり、虚偽の申告などをした場合は、古物商・古物市場主対する罰則があります。罰則の内容は6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金刑です。

例えば品触れの書面には、受領日を記載しなければいけませんが、そこに虚偽の日付を記入しても罰則の対象となってしまいます。6ヶ月という期間を破って、品触れを保管せずに廃棄した場合も刑罰の対象です。品触れにリストアップされた被害品の報告を怠るだけではなく、上記のような行いにも注意をしなければいけません。

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