意図せずとも、悪徳業者と見做されてしまった場合に営業が難しくなることがあります。特に、インターネットが発展している現代では、クチコミにより一瞬で広まってしまう可能性が高いです。
さまざまな理由により買取サービス名をたびたび変更している買取業者もありますが、悪いクチコミが広がり名前を変えたとしても、「以前はこういう名前で買取をしていた」「ああ、問題の……」という形で、一度失った信頼を火消しすることは困難です。
そこで、消費者目線で「悪徳業者と思うのは?」という論点で整理していきたいと思います。もちろん、こちらで紹介されているものが全てではありません。「消費者にとって良い買取サービスとは何か」常に模索していきたいものです。
古物商は評判・口コミが大切
古物商ビジネスを営む上で、消費者からの評判は意識しておきたいポイントです。まわりからの評判が口コミとなり、集客率のアップ、そして売上にも繋がっていきます。
もし、悪徳業者などという評判がたてば、最悪ビジネスとして成り立たなくなっしまう可能性もあります。ですから、悪徳業者と見なされるようなおこないは、絶対に避けるべきです。
特に困ってしまうのは、意図的ではなく無自覚に悪徳とされる行いをしてしまうこと。知らなかった・気が付かなかったと言い訳をしても、一度落ちた評判を取り戻すのは、並大抵のことではありません。どういった事例が悪徳業者と呼ばれるてしまうのか頭に叩き込み、徹底してそうしたおこないを避けるべきです。
「悪徳業者」と言われる古物商の事例
以下で、消費者の多くが「悪徳業者だな」と思ってしまうという事例をまとめました。
1.アポイントメントのない訪問
古物商がよくおこなっている出張買取。大量のアイテムを買取ってもらう際には、とても便利なサービスです。ですが、依頼もしていないのに、アポイントメントもなしで出張買取にくる業者も0ではありません。迷惑行為をする古物商は、消費者にとって悪徳業者とみなされてしまいます。
そもそも現在、アポイントメントのない出張買取は法律で禁止されています。ですから悪徳業者と言われるのも、当然です。出張買取の依頼もないのに、自宅を訪問して営業してはいけません。
2.押し買い
押し買いという言葉を知っているでしょうか。押し買いとは、売る意思のない相手に対して無理矢理買取をする行為のことを指します。
ただでさえ出張買取は、他人を自宅へ招き入れる行為です。そこで圧のある営業をされると、断り辛いという人がほとんど。自宅での押し買いは、大きな恐怖を感じる人も少なくありません。
本当は売りたくないものまで売却してしまうケースもあることは念頭におきましょう。そのつもりがなくとも、強引に買取されたと消費者が思えば、悪徳業者だと思われてしまう可能性があります。
よくあるのは、「これだけしか売らないのであれば採算が取れない」「査定依頼の時点では、もっと価格がつくものを買取させてくれると思っていた」「これもどうしても売って欲しい、なんとしてもお願いしたい」などと言われた、というケースです。
3.クーリングオフに応じない・対応が遅い
現在の法律では、買い取った商品であっても、相手に求められた場合にクーリングオフに応じなければいけません。(適用条件あり)
あれこれと理由をつけて、手続きを遅らせるなど中々クーリングオフに応じてくれない古物商は悪徳とみなされてしまうでしょう。また、クーリングオフを妨害する意思が古物商側になかったとしても、手続きがスムーズに進まないと、消費者側としては不安が募り悪徳と思われてしまいます。
4.安値での買取
査定に出された品物を安値で買取をした場合、相手から悪徳業者と言われてしまう可能性があります。相場よりも安い査定額での買取だけではなく、元々価値が低く安値しかつけられないような物であっても、悪徳と言われてしまうことがあるのです。
消費者の心の中には「もっと高く売れるはずだ」という思い込みがある場合もあります。そのため安価で買い取られると不平不満から、悪徳業者認定されることも珍しくありません。また、複数の古物商に査定をして貰っている場合、他店よりも大幅に安価な値をつけてしまうと悪徳と言われがちです。
消費者に「価値のある物を安く買い取ろうとしている」と判断されてしまうと、故意でも無知でも悪徳業者と言われてしまう可能性があります。
こうした事態を避けるには、古物の相場を把握することはもちろん、必ず相手が査定額に納得した上で買い取ることが大切です。上場企業など、社会における信頼に対して特に慎重なところでは、商品の価格について丁寧に説明することが多いです。
5.売値(再販価格)が高い
古物商では、買取した商品を再販することで利益を出します。そのため、転売価格は買取価格よりも高くなって当然です。しかし、二束三文で買取った商品をあまにも高い値段で販売し、悪徳業者と言われてしまうケースも見られます。
きちんと古物商の許可申請をしていれば、高い値をつけて販売しても違法ではありません。ですが、与える印象は悪くなってしまうでしょう。そしてその悪印象が、悪徳業者という評価へ繋がっていきます。
特に近年では、ゲーム機等、転売ヤーがこぞって買い占めて定価を上回る価格で転売された商品において、定価以上で売却する買取業者などが見られ、一部で話題になっていました。
売却した相手がいくらの値をつけて販売したのかわからないような状況で、なおかつ定価を下回る価格での販売であれば、特に問題となりません。しかし、相手の利益の取り方がわかる販売の仕方である場合に、悪徳業者呼ばわりされる可能性がある点には注意しましょう。
最も、在庫を抱える期間が高い傾向にある美術品や骨董品をはじめとしたコレクション類、場所を取る家具類は保管期間も想定した買取価格になってしまいがち。買取業者側の事情による価格設定である場合もあるでしょう。
6.品物の扱い方が雑
買取査定の際の品物の扱い方が雑だと、悪徳業者と言われてしまいます。査定をしている時点では、あくまでも品物は消費者のもの。例え壊れるような取扱いをしていなくても、雑な扱いは消費者にとって気分の良いものではありません。古物商は、査定時の品物の取扱いには、十分に注意をする必要があります。
特に悪評がつきやすいのは、宅配買取のケースです。査定後、売却をしないと判断されたアイテムは、相手に返却をするために送り返さなければいけません。その際の梱包の仕方いかんでは、悪徳業者と言われてしまうことがあります。
買取業者としては、買取りができず利益が出なかったものに対し丁寧な対応をするのは難しいと思うかもしれません。しかし、悪いクチコミの中で宅配買取の扱いはかなりの割合を占めており、消費者の信頼に深く関わっているのも事実です。
例えば、ただ段ボールにアイテムを詰め込んだだけだったり、破損の恐れや汚れるような梱包の仕方をすると悪徳業者認定へと繋がりがちです。買取をせず返送をしなければいけない場合も、しっかりと返送物を保護して良い状態で返却する必要があります。
できるだけ無駄な手間が生じないように、撮影ポイントを明記の上で事前査定のみを行っている買取業者も一定数います。もちろん、写真ではわからない情報も多いため、提示した査定額で確約する買取業者もあれば、送られてきたものに説明にない問題箇所があれば再査定・減額する旨を説明して対応しているところもあるようです。
本記事では、すべてのケースを紹介することはできません。しかし、ここで紹介した事例を参考に、消費者が買取業者に対してどのような目線で見ているかどうか常に意識しておきましょう。
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