古物台帳の記載が必要ないケースは? 記載が必要な条件を品目ごとに解説

古物台帳の記載が必要ないケースは? 記載が必要な条件を品目ごとに解説

古物に課せられた義務のひとつに、古物台帳への記載があります。古物商は、古物の売り買いをビジネスの核としていますが、その取引内容を古物台帳へ記入しなければいけません。

古物台帳は、市販されているものを利用しても自作をしても構いませんが、記載しなければいけない内容は、法律により決定しています。詳しくはこちらの記事をご一読ください。

なお、全ての取引について古物台帳に記載しなければいけないのかというと、そうではありません。古物台帳への記載が必要な条件が存在します。品目ごとに、記載の必要な条件を覚えておく事が大切です。

古物台帳へ記載する内容

品目ごとに記載が必要な条件を覚える前に、まずは台帳には、どんな内容を記載するのか確認しておきましょう。

古物台帳へ記載する内容はは、受け入れと払い出しの2つに分かれています。受け入れは、仕入れや買取の取引内容を、払い出しは売却や返却などで古物を手離した際に記載するものです。

受け入れの記載項目

  • 年月日

古物を受け入れた時の年月日です。西暦、元号などの形は問いませんが、月日だけではなく「年」も忘れないようにしましょう。

  • 区分

受け入れには「買受」「委託」「交換」の3つの分類があります。区分の項目には、3つのうちの何れかを記入しましょう。

  • 品目

受け入れしたアイテムのジャンル名やブランド名等を記入する項目が品目です。

  • 特徴

色や形だけではなく、汚れや破損箇所など個体を区別できる特徴を記入しましょう。シリアルナンバーや車なら車体番号も書いておきます。

  • 数量

受け入れをした個数のことです。

  • 代価

受け入れの際に支払った費用のことです。

  • 相手方の真偽を確認するために取った措置の区分

取引相手の身元の確認の方法を記載します。

  • 取引相手

取引相手の氏名、年齢、住所、職業が必要です。

払い出しの記載項目

払い出しの記載項目は、受け入れと重複します。年月日・区分・代価・取引相手の4項目があり、区分は「売却」「廃棄」「自家使用」「返還」の4つがあります。また、払い出しの場合、取引相手の情報は氏名住所のみで問題ありません。

品目別! 古物台帳への記載が必要となる条件

美術品類

絵画や版画、書、彫刻等の美術品類は、取引金額の合計が10,000円以上の場合に古物台帳への記載が必要です。美術品を買取する場合、売却する場合、その両方で記載しなければいけません。

衣類

洋服や着物の他に布団や敷物は、衣類に分類されます。そんな衣類は、合計10,000円以上の取引で記入の必要です。買取等の受け入れ時のみ上記のルールが適用されます。例え10,000円以上の取引でも、売却のような払い出しでは記載不要です。

時計・宝飾品

時計や宝飾品も合計10,000円以上の取引の場合、受け入れでも払い出しでも古物台帳に記入しなければいけません。時計や宝飾品は、高価な物も多いので、ほとんどの場合に記載が必要となるでしょう。

自動車

自動車には、本体のみだけではなくタイヤ等のパーツも含まれます。取引の種類にかかわらず、金額が合計10,000円以上なら古物を台帳への記載を忘れないようにしましょう。

自動二輪車・原動機付き自転車

自動二輪車や原付の本体は、受け入れ・払い出しの両方で合計10,000円に満たない場合でも古物台帳への記入が必要です。もっと簡単にいうと、金額がいくらであっても自動二輪車や原付の本体の取引は、古物台帳への記入が必須という訳です。

古物の分類では、自動二輪車・原動機付き自転車の品目には、車体本体だけではなくそのパーツも含まれます。自動二輪車・原動機付き自転車のパーツ取引では、ルールが若干異なります。

受け入れ取引の場合は、金額にかかわらず記載をする必要があるものの、売却のような払い出し時は総額10,000円以上のみ記載します。

自転車類

自転車では、総額が10,000円以上となる買取や仕入れといった受け入れの場合のみ古物台帳へ記入します。ですが、自転車を売却したり手離すような払い出し取引では、金額にかかわらず記入の必要はありません。

写真機類

写真機類の古物取引で古物台帳への記載が必要となるのは、総額が10,000円以上の受け入れ取引の場合のみです。上記の金額に満たないケース、または払い出し取引では記載不要となります。

事務機器類

パソコンやコピー機に代表される事務機器類で古物台帳への記載が必要となるケースは、総額10,000円以上の買受けや交換といった受け入れ取引です。その他と取引では、一切記載の必要はありません。

機械工具類

電気で動く機械全般を指す機械工具類。この品目の取引で古物台帳へ記載しなければいけないのは、総額が10,000円以上になる受け入れに分類される取引のみです。

道具類

道具類にあてはまる古物は幅が広く、家具や楽器からおもちゃまで多種多様なものが含まれています。道具類に分類される古物を古物台帳に記載する際は、注意をしなければいけません。同じ道具類であっても、アイテムによってルールが異なるためです。

家具や楽器、雑貨等は、受け入れにあたる取引の際に総額が10,000円以上である場合にのみ台帳への記載が必要です。

しかし、ゲームソフトやCD、DVD等に限っては、買取のような受け入れに限り10,000円未満の取引であっても記載しなければいけないと決まっています。売却する場合、ゲームソフトやCDであっても記載はいりません。

皮革・ゴム製品

皮革・ゴム製品で古物台帳への記載が必要となるのは、買取や交換といった受け入れの取引で総額が10,000円以上となるケースです。

書籍

書籍の場合、例え金額がいくらであっても、受け入れにあたる取引なら古物台帳への記載が必要です。10,000円以上、未満という金額では判断しません。書籍の買取、仕入れでは全て古物台帳へ記載します。払い出しにあたる取引の記載は、不要です。

金券類

金券類では、受け入れ取引において総額が10,000円以上の場合のみ記載しなければいけません。その他は、記載する必要ありません。

第十八条 法第十六条ただし書の国家公安委員会規則で定める古物は、次の各号に該当する古物以外の古物とする。

一 美術品類
二 時計・宝飾品類
三 自動車(その部分品を含む。)
四 自動二輪車及び原動機付自転車(これらの部分品(対価の総額が第十六条第一項で定める金額未満で取引されるものを除く。)を含む。)
2 法第十六条第四号の国家公安委員会規則で定める古物は、自動車である古物とする。(古物営業法施工規則第18条)

自身が取り扱う品目について、今一度確認しておきましょう。

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