古物商の許可を取得すると参加できるようになる古物市場。掘り出し物の入手やお得な値段で古物が仕入れられ、古物商同士の交流の場にもなると評判です。ただし、古物市場は自動的に参加できる訳ではありません。自分で古物市場を探し出し、開催場所・開催日時を調べ申し込みをする必要があります。
また、古物市場の中には既存の会員からの紹介制をしいている所も。独特のコミュニティが築かれているケースも多いだけに、初心者は肩身が狭い部分もあります。せっかく古物商の許可を取得したのに、中々古物市場に参加できずにいる人も少なくありません。
そこで古物市場リストの入手方法と合わせて、初心者でも参加しやすい古物市場について紹介していきます。
古物市場リストを入手するには
古物市場リストは、いくつかの方法で入手可能です。
1.警察のホームページから
古物市場を管理しているのは、警察です。警察のWebサイトにアクセスをすると、古物市場主のリストを閲覧・ダウンロードできます。ですが、閲覧・ダウンロード可能なのは、その警察が管理している地域の古物市場主の情報のみです。
他の県にある古物市場のリストは、所轄の県警サイトへアクセスする必要があります。
この方法は非常に手軽ですが、残念なことに全国の県警でリストを公開している訳ではありません。Webサイトでリストを公開しているのは、一部の県警のみ。Web公開なしの県の古物市場リストを入手するには、別の方法を利用しなければいけません。
2.開示請求をする
警察から古物市場リストを入手するには、もうひとつ開示請求をする方法があります。古物市場主名簿は、所轄の警察が管理していますから、開示請求も警察に対して行います。
開示請求するには、県警のWebサイトから行政文書開示請求書の様式をダウンロードします。ダウンロードした請求書に必要な事項を記入して提出するだけでOKです。様式は県によって少々異なる点もありますが、基本的には氏名・電話番号といった自分の情報の他に開示請求理由の記入が必要です。
理由に関しては、詳細に記す必要はなく調査としておけば問題ありません。また、請求する行政文書等の名称は「古物市場主一覧」です。警察の窓口提出の他、郵送、ファクシミリ、電子申請・届け出システムにより開示請求できます。
公文書開示請求は、必ず申請が通るとは限りませんが、古物市場主のリストの場合は記入間違いさえなければ公開されるでしょう。開示請求をすれば、確実に古物市場リストは手に入ります。全国のリストを入手したければ、各都道府県の県警ごとに開示請求する必要があります。
3.インターネットで検索する
古物市場リストは、インターネットから検索することでも見つけられます。「古物市場」「全国」「○○県」といったように検索ワードを打ち込むと、いくつかの市場情報を見つけられるはずです。
全国の古物市場のまとめサイトもある他、古物市場の運営が開設しているホームページもあります。ただ、ネットで検索して見つかる古物市場ばかりではありません。
検索に引っ掛からない市場の方が多いものです。また、まとめサイトの情報は古い可能性もあるため注意しましょう。
4.リスト業者から購入する
古物市場リストは、業者にお金を支払って購入する方法もあります。
リスト業者というと、怪しいと思われるかもしれません。ですが、古物市場リストを扱っているのは、行政書士事務所等がほとんどです。
行政書士は、古物商許可の申請手続きを代行する事も可能な業務。普段から古物商許可を扱っている行政書士は古物商への知識が深く、安心してリストを購入できます。
販売価格は、全国の古物市場リストで5000〜10000円以内が相場です。一都道府県の場合、1000円〜、関東・関西といった地域限定になると3000円前後で販売されることが多いです。
タダでリストが入手できる方法
実は、上記の古物市場リストを購入せずにただで貰えるケースがあります。それは、行政書士の提供している古物商許可代行サービスを利用した場合です。
古物商許可代行サービスは、自分で行う許可取得の為の証明書収集や書類の記入、申請等を行政書士に代行してもらいます。もちろん無料ではありませんが、手間が省け確実に許可を取得できると人気があるサービスです。相場は50,000円前後でしょう。
この代行サービスを依頼すると、その特典として古物市場リストがプレゼントされるケースがあります。リストも含んでいるなら、代行費用を安く感じる人もいるのではないでしょうか。
どこの行政書士でも特典プレゼントがある訳ではありませんが、もし代行サービスを依頼するなら特典があるか確認しておくことをおすすめします。
初心者が参加しやすい古物市場
仕入れ、在庫処分に便利な古物市場。初心者には敷居が高いですよね。しかし、せっかく古物商の許可を取得したなら一度は古物市場を利用してみたいものです。ここでは、初心者が参加しやすい古物市場をピックアップしてみました。
1.ネットオークション(オンライン古物市場)
オンライン開催をしている古物市場は、大会や平場の市場よりも初心者が参加しやすくなっています。
オークションの流れについて行きやすい
理由のひとつめに、ネットオークション方式で敷居が低いことが挙げられます。入札は全てパソコンやスマホを操作して行うため、平場や大会のように慣れない発句や競りのスピードについていけない……とはなりません。
人と顔をあわせる必要がなく独特の空気で置いていかれにくい
ふたつ目の理由は、人と顔を合わせる必要がないこと。他の古物商との交流も魅力の古物市場ですが、初心者にとってはそれがネックになりがちです。
特に一人で参加するしかない人の場合、その輪の中に飛び込むのは勇気がいります。古参の空気が出来上がっている場合もあれば、そもそも「新規を受け付けていません」と断られてしまうこともあります。
独特の上下関係を気にする必要もないため、リラックスしてオークションに参加できるでしょう。初心者歓迎を掲げるオンラインオークションは、外出自粛が求められる社会情勢も相まって増えました。
移動の手間がないため全国の古物市場に参加できる
最後の理由は、移動の手間がないこと。ネット環境さえあれば、どこにいてもネットオークションに参加できるので、初心者でも参加しやすいと言えるでしょう。
2.インターネットで情報が多い古物市場
古物市場には新規参入を歓迎しないところや受け付けていないところなどがあります。新規を募集している場合に、情報に辿り着けるようにインターネットで充実した情報を掲載していることが多いです。
大手買取業者のオークションは開かれていることが多い
必ずというわけではありませんが、大手買取業者が主催している古物市場は初心者も歓迎していて開かれていることが多いです。業界でよく耳にする業者の古物市場情報を調べてみてもよいでしょう。
新規サポートがあるオークションところもある
古物市場にいる人は、誰でも初めて参加したことがあります。独自のルールや流れについていけなかった経験を持つ人も少なくありません。そのため、初心者歓迎を掲げている所の中には、希望すれば販売・購入のサポートを得られるところがあります。
座席指定で独自文化への心配を払拭
古物市場は座席指定がされていないことが多いですが、「前の方は常連」「この人はいつもここに座る」などの暗黙のルールが存在することもあります。うっかり座ってしまって……ということもあるかもしれません。この、古物市場によくある文化を加味して、あらかじめ主催者が座席指定しているところもあります。
「アットホームです」「初心者歓迎」と言いながら実態は異なったという意見も耳にします。初心者が参加しやすいよう主催者側で工夫がなされているかどうか調べてみてはいかがでしょうか。
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