インバウンドで古物商にビジネスチャンス到来! 訪日外国人に売るポイント

インバウンドがリユース市場に追い風をもたらしています。コロナ禍で急激に落ち込んだ訪日外国人でしたが、規制が解除され急激に増加。かつてないほどの外国人が日本を訪れています。外国人の訪日目的のひとつが「日本の古物購入」です。

国内古物の需要が急激に高まっている背景から、訪日外国人をターゲットにした戦略を考える事業所も珍しくありません。インバウンド需要を掴み、集客に成功すれば大きな売上アップに繋がる可能性があります。そこで、本記事ではインバウンドが古物市場に与える影響について触れていきます。

訪日外国人の推移

日本政府観光局が発表する「訪日外客統計(2024年7月19日発表)」は、訪日外国人の数を取り扱っています。その報告によれば、2023年6月で約200万人だった数も、2024年4月には約310万人まで増えていることがわかります。

ピークである2017年(月平均で約240万人)と比較しても訪日外国人の数は、約1.3倍です。回復を通り越して急激に増加しているといっても過言ではありません。

日本の古物が外国人に人気の理由

日本の古物を求めて訪れる外国人も少なくありません。物価上昇が続く日本で、なぜ古物市場の人気が高まっているのでしょうか。

物価上昇していても価格が安い

物価上昇が激しく進んでいる国内ですが、全体的にはデフレの影響があり、海外と比較すれば物価が安い状態です。さらに、2024年7月の為替相場は1ドル(米)=150円代。記録的な円安が続き、外国人旅行者にとっては願ってもない追い風となりました。

自国で高額な商品が日本では格安で手に入ることから、買い物目的で多額の予算を組んで遊びに来る外国人も少なくありません。両手に抱えきれないほどの購入品を持って店舗を後にする外国人もいるほどです。

新品同様の良質な古物

新品同様と見間違えるほど国内古物の「質」は高く、訪日客からも評価されています。訪日外国人からすれば、高額な新品を買うよりも「日本の古物」を買うほうが魅力的に感じるようです。

しかしながら、国内の物価上昇は古物も例外ではありません。例年と比較しても販売価格は着実に高くなっています。それにもかかわらず「購入したい」と考えている方がいるのは「古物の質の高さ」が後押ししているからと考えられます。

メイドインジャパンの信頼感

管理が行き届いた古物市場のサービスも、人気の理由のひとつ。「日本で買えば偽物は売っていなさそう」と感じている訪日外国人がいるほどです。

国内では古物営業法が徹底されているからこそ、偽物が流通しない仕組みが整っています。法を守る日本人の勤勉さや真面目さが、安心感を与えているのかもしれません。

きめ細やかで丁寧なサービス

国内古物市場のきめ細やかで丁寧なサービスは、訪日外国人からも高い評価を得ています。親身になって対応してくれるサービスは、外国人を感動させるほどです。

古物商は比較的簡単に許可が降りる資格ですが、古物市場で長く生き残るのは大変難しいものです。日々、売上を上げるために良質な古物の仕入れや、質の高いサービスを追求している事業もあります。買い手からの「質・価格」に対しての高い要求が、売り手の技術を伸ばし、日々の業務に活かされているのではないでしょうか。

訪日外国人に古物を売るポイント

外国人が好む古物を店頭に並べているだけでは、売上アップに繋がらないかもしれません。売上アップを狙うには、訪日外国人が「利用したい」と思う仕組み作りが必要です。ここでは、売上をアップさせるポイントを紹介します。

品質を重視した仕入れをする

日本の古物は「状態がよく、外箱などの付属品が残っている」と感じている外国人もいるようです。仕入れ時の品質チェックは欠かせない要素といえるでしょう。

外国人観光客が多い地域に販売場がある事業所は、新品同様の古物は買い手がつきやすいと考えているようです。利益が見込めるのであれば多少割高でも買取し、品揃えを充実させる買取業者も少なくありません。

免税店許可を得る

訪日外国人も「できる限り安く購入したい」と考えています。消費税を支払わない免税店の人気が高いのは、いうまでもありません。

免税店の許可を得るには「輸出物品販売場許可申請書(一般型用)」を、納税地を所轄する税務署に申請します。申請書は、パソコンからe-Taxソフトをダウンロードして作成してください。

ただし、申請には下記の要件を満たしていることが条件です。

  • 消費税の課税事業者であること
  • 非居住者の利用する場所、もしくは非居住者の利用が見込まれる場所に販売場があること
  • 免税販売手続きに必要な人員や設備を有している販売場であること(免税販売手続きに必要な人員:非居住者に説明できる従業員。設備:購入者の確認や購入記録表などの手続きを行なうカウンター等)

コミュニケーションが取れるようにしておく

言葉の壁が売上アップを阻害する因子にもなりうるでしょう。言葉が通じないことは、従業員・利用者双方にとって不利益でしかありません。英語などの外国語が話せる従業員がいれば、安心したやり取りができますが、都合よく在籍しているケースはまれでしょう。

しかし、現代の技術は進化しています。外国語が話せなくても、スマホのアプリなどを通じて世界中の方とコミュニケーションが取れる時代です。

通訳を設備に任せれば、完璧とはいかないまでも十分なコミュニケーションが取れます。外国語が話せる従業員を雇用しなくても、積極的に外国人と取引ができるでしょう。

WebサイトやSNSを充実させる

訪日外国人も口コミやインターネットを使って情報を探します。Webサイトで外国語のページを立ち上げたり、日頃から外国人向けのSNSを充実させたりすることで、集客に繋げやすくなります。

販売所を利用する外国人の国籍に傾向があれば、対応した言語で翻訳サイトを作成するのも有効な手段です。ただし、リアルタイムのコミュニケーションとは異なり、コンテンツの質を作り上げる必要があります。無料の翻訳サイトで闇雲に翻訳しただけのコンテンツでは、集客が見込めない可能性があるため注意してください。

無料のWifiスポットの導入

訪日外国人が日本旅行で困った出来事の上位にランクインするのは「無料のWifi設備がないこと」。Wifiは国内でも広く普及してきましたが、海外と比較すると「無料のWifi設備」は少ない傾向です。

調べものをしたいときにスマホが使えないのは、旅先で大きな痛手ではないでしょうか。販売所に無料のWifi設備を導入すれば、Wifi目的の訪日外国人の集客が狙える上、古物販売のチャンスが訪れるかもしれません。

インバウンド需要を狙って売上アップ

コロナ禍が落ち着き、訪日外国人の数も例年と比較して急激に増えています。円安の影響も受け、インバウンド需要が古物市場に追い風をもたらせているといえるでしょう。良質な古物や丁寧なサービスを提供して訪日外国人を集客できれば、事業所の売上もアップする可能性があるかもしれません。

参考資料

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