古物商の営業・外商とは? 一般的な外商との違い・注意点

「古物商営業の外商とは何か?」を知るためには、まず古物商営業について押さえておく必要があります。そもそも古物商営業というのは、古物を買取り・販売をしたり、誰かに委託をされて古物の売買行為をおこなうことです。また、古物の交換も古物商営業に該当します。

逆に古物の販売のみをおこなったり、自分が販売したものをその相手から買い取る行為は古物商営業にあたりません。つまり、フリーマーケットやフリマアプリ、オークションサイトで私物や貰い物を販売する行為は古物商営業ではないということです。

古物商営業をする場合は、必ず許可の申請しなければいけないと法で決まっています。つまり、古物商の申請が必要かどうかで、古物商営業にあたるかあたらないかを判断できるということです。

これから取得する方、営業間もない方は外商について押さえておきましょう。

一般的な外商とは

通常、品物を販売する場合は百貨店やショッピングセンター、独立した店舗など施設内の売り場でおこないます。消費者が施設や店舗におもむいて購入するという形です。しかし、外商というのは、上記のように消費者が品物を購入するために店舗におもむく必要性はありません。

デパートなどの外商部員が、顧客の用を聞き、見合った品物を持参して顧客の自宅を訪問します。顧客はわざわざ店舗へ出むくことなく、自宅にいながら商品の購入ができるというわけです。このように、外商部員が顧客の自宅へうかがって商品を販売するという形が外商の特徴だと言えます。

もうひとつの特徴として、外商の場合、商品は掛け売りで販売するということがあげられます。掛け売りとは、その場で現金を徴収するのではなく、後から代金を回収することです。

外商部のある百貨店、デパートであっても、全ての消費者が外商顧客になれるわけではありません。百貨店などの外商は、基本的に極一部の限られた顧客のみが利用できるサービスです。これが外商という言葉の一般的な意味です。

古物商の外商とは

外商というと、一般的には上記のサービスを指すことはわかってもらえたでしょう。しかし、古物商営業における外商は、上記とはまた異なる特徴を持つサービスです。

特徴1:出張買取

古物商が古物を仕入れるルートさまざまですが、個人からの不用品の買取りも大切な仕入れ方法のひとつです。顧客がリサイクルショップや質屋などの店舗に持ち込んだ不用品を店舗で査定・買取りをするだけではなく、宅配買取りや出張買取りの需要も増加しています。

上記の買取り方法のうち、古物商が買取を希望する顧客の元へ直接赴いて査定・買取をおこなう出張買取が、古物商営業における外商サービスにあたります。

古物商営業の外商というとイメージが湧きにくく、一般の人にとっては縁のないものと思いがちです。ですが、実際は古物商営業における外商とは、出張買取サービスのこと。それがわかると、古物商営業の外商を身近なサービスとして感じられるようになるのではないでしょうか。

実際、最近では多くのリサイクルショップなどが出張買取りサービスを始めています。利用者も多く、身近なサービスといっても過言ではありません。不用品の数が多すぎたり、サイズが大きいものだったりすると、店舗へと持っていくのも大変なものです。

古物商営業の外商(出張買取りサービス)では、買取り希望者が自分で店舗に不用品を運ぶ必要がないため、その便利さから需要が高くなっています。宅配買取りサービスとも違って、直接その場で査定してもらえることも消費者に人気の理由でしょう。

特徴2:利用条件がない

その他にもデパートなどの外商と古物商営業における外商では、違うポイントがあります。一般的な外商は、一部の顧客のみが利用できるサービスです。その条件は公開されていませんが、収入や年間の購入額が一定以上である、既存の外商顧客の紹介が必要であるなど、さまざまな条件があると言われています。

ですが、古物商営業の外商は基本的に誰でも利用することができます。自宅にある不用品を売りたいと考えた時に、電話やメールで誰でも出張買取を申し込めるようになっているのが、古物商営業の外商の大きな特徴だと言えるでしょう。

自宅の住所が買取り範囲内であれば、出張料が無料となっていることがほとんどです。もし、査定の結果、料金に納得できないなら売却の中止をしても構いません。

外商という言葉は、敷居の高いイメージがあるでしょう。ですが古物商営業の外商とは、基本的に無料で誰でも利用できる気軽なサービスだと言えます。

特徴3:顧客宅で古物の販売をおこなうケースもある

古物商営業の外商の場合は、古物の販売より不用品の買取を意味するのが一般的です。古物商営業の外商=出張買取と思ってもらって問題ありません。

ただし、骨董品・絵画などの価値が高く高価な美術品になると話が変わってくることもあります。価値の高い骨董品や絵画などの美術品を扱う古物商は、古物商営業の外商として顧客の自宅へ赴いて古物を販売する例もあります。

外商顧客と直接取引をしている古物商もいれば、デパートの外商部からの依頼によって、骨董品や絵画などの美術品を外商顧客の自宅で販売するケースもあります。価値の高い美術品などの古物を取り扱っている場合は、古物商営業の外商=出張買取とは限りません。

まとめ

自分の仕入れている品目により、外商という言葉を聞いて「自分が知らないことが業界内であるのでは?」と思っていた不安を払拭できたり、新しい販路について考えたりする機会になったのではないでしょうか。

業界用語を聞いた際、知らずに心配になってしまうこともありますが、ひとつひとつ解決していくことが営業の近道です。

ただ、外商は不当な押し買い・押し売りの温床になってしまっている事実もあります。事業者側が気づいていないケースも多々あるでしょう。言葉を知るだけでなく、その行為をおこなう際のマナーについても学んでいく必要があります。

参考)消費者センター

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弊社「古物査定士認定協会」では、こうした消費者からのイメージアップ・健全な古物営業を目的とした活動を行なっているため、買取のマナーについても学ぶことができます。ぜひ、「見える形での安心」として資格の取得をご検討ください。

古物査定士資格取得に関する問い合わせ窓口
(当面の間は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、資格試験をオンライン上で行うこととします)

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